青色7号

思ったこと考えたことをひっそりこっそりそろそろと

実らない

初恋は実らない

 

そんなの迷信だって思っていた。けど、本当らしいなとナナサンも知ることになった。

どんなに否定しても、これが恋なんだ、って気付かされた。

実ることはなかったし、どこかで実ることを拒否していた。怖くて踏み込めなかった。

だからナナサンは、その人のことをほとんど何も知らない。何で聞かなかったんだろう、って思うことがたくさんある。

 

ナナサンには知らないことがたくさんある。

上手なおしゃべりのし方、人との距離の測り方、大地讃頌の歌詞、キャビアの味、エトセトラエトセトラ…

その一つが「初恋の葬り方」。

無かったことにするわけじゃない。成仏させたいのだ。記憶の甕の一つから、弱った時にばかり出てこないように、彼のこと考えて泣きたくなることがないように。

時間が解決すると信じてからかれこれ10年は経とうとしている。でも意外としつこいのだ。

「初恋に捧ぐ」さすがスピッツ、としか言いようがない。

 

初恋に捧ぐ 全てを台無しにするような

大切なものを 心に放り込んでくれないか

夢から醒めたいんだ 僕に答えを見せてくれ

 

夢からも醒めているし、全てを台無しにするような大切なものはソウサンという不思議な生き物という形で存在している。初恋ですべてを台無しにされてはたまらない。だって彼はナナサン眼中になかったはずだし。

そんな私情は抜きにしても、この歌詞から時を経て、最新アルバムの題名が『醒めない』。勝手だが胸熱展開でしかない。

未だに初恋から、彼女の笑顔、涙、呼んだ時の「え?」と聞き返す、真ん丸で黒目がちな瞳が開かれるその顔から、初めてつないだ時の冷やっこい指先から、「醒めない」。もしかしたら、醒めるのを拒んだのかもしれない。消極的選択ではなくて、積極的選択で醒めることをしないのかもしれない。

あくまで普通動詞の否定だから分からない。可能動詞なら話は変わってくるが。

「覚めない」でも「褪めない」でも「冷めない」でもなく「醒めない」。

深読みもいいとこだが。

 

どうにか成仏させたいな…